遠賀川の源流の麓、嘉麻市大隈の鮭神社で、「献鮭祭」が氏子や水産会社・漁協関係者、遠賀川流域の住民など約100人が参列して営まれました。 鮭神社は1300年の歴史ある神社で、氏子の皆さんは遠賀川にのぼってくる鮭を神の使いとしてあがめ、「献鮭祭」は遠賀川にのぼってきた鮭を鮭塚に奉納し、五穀豊穣・無病息災を願う神事で、毎年12月13日に行われています。 「遠賀川に鮭がのぼってくる翌年は豊作」と古くから言い伝えられていますが、昨年に引き続き今年も遠賀川で鮭が発見されませんでした。遠賀川に鮭が発見されない年は慣例に従って大根を鮭に見立てて奉納します。 今年も嘉麻市立足白小学校4年生も参列されました。「遠賀川に鮭が帰ってこなかったのはさみしかったけど、たくさんの鮭が鮭塚に奉納されたので良かった」「来年はきっと鮭が帰ってくるよ」と、ちょっと寂しそうでしたが、鮭塚に奉納された大きな鮭を見てびっくりしていました。 ※足白小学校は上級生になると毎年サケの卵から鮭の稚魚を育て、毎年遠賀川の支流塀川に放流する取り組みを行っています。そして、鮭がたくさん遠賀川に帰ってくることを願って河川の清掃活動を行っています。 北海道から参加されている水産会社の方は、「感謝の気持ちで毎年参加しています。遠賀川はとてもきれいですね。帰ってくるサケは嬉しいと思いますよ。川底がもう少し深いといいですが!」と話されていました。年年鮭神社にお参りする人も増えてきています。今年は報道関係もたくさん来ました。鮭がのぼってきやすい遠賀川にみんなでしていきましょう。 |
境内での神事 |
鮭に見立てた大根がまつられています。 |
立派な鮭がたくさん奉納されました。 |
嘉麻市立足白小学校の児童も熱心にお祈りしていました。「遠賀川に鮭が帰ってくる」ことを願って |
国土交通省遠賀川河川事務所の皆さんです。 |
鮭神社から馬見山のリンゴ村を通って馬見山キャンプ場の上部に新しくできたふ化場があります。12月13日献鮭祭を終え、「遠賀川源流鮭の会」のみなさんは、新しくできた孵化槽で鮭の受精卵を入れました。(盆入れ)これから3月中旬まで鮭の稚魚が育てられます。※この間、ふ化場では鮭の稚魚見学などを通して小学校の児童の環境教育としても活用されるということです。 新潟県村上市三面川鮭産漁協から分けていただいた4万個の受精卵を2つの孵化槽に入れられました。(ふ化場の様子) 会の皆さんは11月に新潟県村上市の三面川の鮭産漁港に見学に行かれています。そのその様子 孵化槽に入れられた受精卵は、クリスマスのころからふ化が始まります。ふ化した稚魚は暗床(ふ化槽の網の下)に潜り込み、卵黄(さいのう)を栄養源として成長します。1月末頃(積算温度で約700度)にエサを求めて浮上し、飼育槽に流れ落ちます。この間の温度管理が重要となってきます。そして稚魚の餌をあげること、本当に大変な日々が続きます。 「遠賀川にサケを呼び戻したい」と願ってたくさんの人々がその取り組みに参加してきました。現在「遠賀川源流サケの会」の青木さんを中心に遠賀川で鮭の稚魚放流事業が行われています。遠賀川にとって鮭が帰ってくることはみんなの望みです。4年後に自分が放流した鮭の稚魚が帰ってくることを、放流した一人ひとり願っています。そのために「もっと遠賀川をきれいにしたい」という言葉をたくさん聞きます。 「遠賀川源流サケの会」は多くの人々にもっと遠賀川に関心を持ってもらおうとサポーター会員制度を設けています。 サポーター会員は年会費として1000円です。鮭のシールが会員証明書となります。詳しくはこちらから |