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遠賀川を再発見する講座

芦屋町中央公民館

 芦屋町は遠賀川河口に位置し、遠賀川河口堰があります。平成27年2月21日(土)、芦屋町中央公民館は中央公民館講座の一環として「遠賀川を再発見する講座」を開催し、遠賀川について学ぼうと、国土交通省 遠賀川河川事務所 河口堰管理事務所所長 吉永 勝彦氏を講師に学習会が開催されました。

講座の一部を報告いたします。

遠賀川河口堰は、中間市にある新日鉄堰から河口堰までの間がためる範囲で、貯めることのできる水の量は1,114万立方メートル(ヤフオクドームの6杯分の水の量)、可動堰で、主な働きは、治水、利水、塩害防止。

2008年、河口堰魚道を含めた周辺環境を改善するために河口堰魚道改良事業が始まった。「生きものと人をつなぐゆるやかな水辺空間の再生」をコンセプトに行政、大学、建設コンサルタントが協働で、住民の方々とワークショップや懇談会を行いながら進めてきた。2013年魚道公園が完成。コンクリートに覆われていた単調な空間から、水辺や草地、干潟など多様な環境がある公園として生まれ変わった。

それまで堰によって淡水と海水に分断されていた河口に汽水域が作られ、緩やかな勾配を持つ魚道が完成したことで、洪水などによって河口堰から流された遊泳力の弱い小型の魚やカニなどの甲殻類が遡上できるようになった。現在おおよそ120種類の魚が確認されている。
魚道公園完成後は生きもの調査等の環境学習やバードウォッチングの場として活用されている。

河口堰には大雨が降って洪水になる度に遠賀川流域のゴミが大量に流れ着く。昨年7月3日、7月6〜8日、8月22日の大雨によって、3,211m³のゴミを陸揚げ、そのまま放置すると、水質などの河川環境の悪化、海岸への流失の恐れ、また、河口堰のゲート操作の支障になるため回収を敏速に行っている。陸揚げした塵芥は手作業で分別して処分。大変な作業。平成25年から、流れてくるゴミが、河口堰ゲートに衝突し破損を与えたり、操作の支障になるのを防ぐため、遠賀川河口堰の上流250m付近に、長さ203mの塵芥捕捉施設(網場)を運用している。河口堰付近で回収するゴミの6割は塵芥捕捉施設で回収が行えるようになった。