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ILOVE 遠賀川流域住民交流会inなかま

       日時 平成2098
    場所 中間市中央公民館
    主催 遠賀川流域住民の会

    プログラム *

12:00 受付

13:30 開会式 

      主催者あいさつ  NPO法人遠賀川流域住民の会
                理事長 窪 山 邦 彦

      来賓あいさつ   国土交通省遠賀川河川事務所 

                  副所長 山 口 英 彦 氏

               中間市副市長 小 南 哲 雄 氏

14:00 「特別活動報告」 福岡県立 北九州高等学校 

   魚部のみなさん

15:00  休 憩

15:10 上・中流域活動団体報告〔各15分〕

      宮若川づくり交流会  座長 澤田 憲孝氏

      穂波川を愛する会   会長 本川 ヤエ子氏

      環境を考える会(稲築)会長 荒木 紘子氏

      田川ふるさと川づくり交流会 会長 村岡 洋氏

16:15 休 憩

16:30 下流域活動団体報告〔各15分〕

      遠賀町青少年育成町民会議 松本 龍一氏

      おりお堀川を愛する会   会長 重籐 一氏

      なかまの環境を良くする会 会長 大野 孝通氏

17:15 閉会式

      閉会のことば 副理事長 野口 靖彦氏

18:00 懇親会〔山賊鍋〕会場へ移動。徒歩1分

〔2時間の予定〕

 

   「流域住民交流会inなかま」の開催にあたって

 遠賀川流域の河川愛護団体の皆様には、日頃の活動に対し深く感謝申し上げます。

 14年前に田川で始まったこの流域住民交流会は、開催地の地域の特性を活かしながら、流域の活動団体の交流と連携並びに発展を目指して開催しているところであります。

 さて、遠賀川は、いにしえから流域に住む私達にあらゆる恩恵を与えてきました。

 源流から河口まで営々と流れるその流域には、文化が芽生え、人々に生きる力と安らぎをもたらしてきました。

 上流の山間部では産業廃棄物や家電製品などの不法投棄による地下水汚染、

流域全体では心無い人達によるペットボトルや空き缶などのポイ捨てにより遠賀川は悲鳴をあげているのが現状であります。

 このようなことから、昨年の1月20日に遠賀川流域の主要自治体の首長に参集頂き、「遠賀川流域リーダーサミット」を開催したところでございます。

 フォーラムでは、各首長がこぞって「このゴミ問題については、芦屋だけの問題でなく流域全体の問題として、今後あらゆる手段を模索しながらまた、自治体と流域住民が連携して取り組みを強化する必要がある」と問題提起されたところであります。

 また、先日の新聞によりますと、九州一級河川の中で遠賀川の水質はワーストワンとの汚名をきせられましたが、しかし、今日の地球環境問題に刺激されたのでしょうか、遠賀川流域の河川愛護団体は69団体と増加傾向にあります。

 また、流域の学校でも河川環境教育に傾注されているところが見られ、明るい展望も期待できます。

 私ども「NPO法人 遠賀川流域住民の会」も設立して5年が経過し、遠賀川流域だよりの編集・配布や今回の住民交流会、芦屋海岸クリーンキャンペーンなど遠賀川全体を網羅し、河川愛護団体の皆さんと連携を図りながら活動を展開しているところであります。

 最後になりましたが、今回の住民交流会の開催地であります、中間市及びなかま環境を良くする会の皆さんには、たいへんご迷惑をおかけしましたことに対し、深く感謝申し上げまして、あいさつと致します。

  平成20年9月6日

                    NPO法人 遠賀川流域住民の会

                      理 事 長  窪 山 邦 彦


 

       特別活動報告
         福岡県立北九州高等学校魚部の皆さん
     テーマ  知ること・伝えること・守ること
 身近な水辺の現状調査の成果を、市民啓発に活かし、 保全につなげていく活動
魚部原稿(遠賀川用).pdf へのリンク

魚部誕生の経緯

魚部は、北九州高校にある「部活動」の一つです。19984月、当時部員が一人もいなかった理科部に有志10名が仮入部して、6月の文化祭を盛り上げようということから、活動が始まりました。彼らは、地域を流れる紫川に自分たちが入ってどんな魚がいるのかを調べました。そして、本番の文化祭で紫川の魚たちを見てもらおうという企画を実施したところ、思った以上に大好評でした。これに気をよくした「有志」がそのまま残って活動を続けたのです。化学的な研究をしていた以前の理科部とちがって、自分たちは川で魚ばかり採っている・・「そんな俺たちは理科部じゃなくて、魚部(ぎょぶ)だ!」という初代魚部員たちの声から、日本で唯一の部活動「魚部」は誕生しました。

 

1.活動の理念

魚部では「知ること、伝えること、守ること」の3つを活動テーマとしています。魚部の高校生たちは実際に様々な水辺に入り、地域の自然環境に体験的に関わる中で、多くの発見や学びを重ねていきます。さらに、そこで得た成果を眠らせずに、市民啓発や環境保全に生かすために、さまざまな取り組みを展開していきます。3つの活動テーマをつなげていく活動、それが魚部の活動です。

 知られないまま点在している地域の貴重な自然が、知られないまま消失していく現実があります。それを少しでも避けたい、魚部が知った貴重な自然だけでも何とか伝えて、関係する人々が知恵を出し合って守っていく方法を考えてもらいたい、そんな気持ちで活動を続けています。

2.知ること

まずは「自分たちが地域の水辺の現状を知る」ことから魚部の活動は始まります。魚部の高校生たちも、専門家ではない顧問教諭も、何か予備知識を持っているわけではありません。

身近な水辺、つまり河川や溜め池、干潟の中に実際に入って、何がいて何がいないのか、ひたすら調べていくのが“魚部流”です。その調査場所は、全く恣意的です。言い換えれば、積み重ねていく体験をもとにした「想像」と「勘」です。自分たち自身が発見し、気付いていく喜びや楽しさを大事にしたいという考えから、事前に調査場所を誰か詳しい方から教えてもらうということは、まずしません。この川はどうなのだろう、あそこの池はどうなのだろうという調査場所を選び決めることも、「知ること」の醍醐味でもあり、ギョブる(野外調査をする意の魚部内語です)ワクワク・ドキドキ感の大事な構成要素なのです。

誰かが調べた場所ではないからこそ、魚部ならではの地域の貴重な自然の発見や現状の把握ができるのだと思います。

調査エリアは、基本的に身近な水辺としていますが、その範囲は調査・研究テーマによって異なります。例えば水生昆虫調査の場合は、県内の水生昆虫相を明らかにするという目的があるので、福岡県内のみに限定して調査をしています。また、シマドジョウ属の調査では分布の状況を踏まえて、山口県や大分県などの近隣県を含めて調査エリアを設定するなど、様々です。

このような「知ること」を目的とした魚部の調査活動は、高校の部活動であるため、休日にしか行うことはできません。さらに、現代の高校生はおそらく皆さんが思っている以上に忙しく、土曜日や長期休業中も課外授業や模擬試験もあります。それらを除いて空いている日は、ほとんどギョブっている(調査活動をしている)といっても過言ではないかもしれません。

また、調査時期には春夏秋冬を問いません。寒い時期だからギョブらない、ということはありません(もちろん寒くて水は冷たいですが)。越冬生態など、寒い時期だからこそ得られる知見やデータもあるからです。 

このようにして魚部誕生から10年間、1年間に50回前後の調査を継続的に行い、地域の水生生物や水環境の現状について多くのことを知りました。

 2007年夏に魚部は創部10周年記念誌として、『魚BOOK(ギョブック)』を刊行しました。

 魚部のこれまでを総括するような内容の読み物として作成したのですが、その中に「いつまでも残したい、魚部が出会った福岡の貴重な水辺」と題したページがあります。これは、まさに知られないまま「点」として残っている貴重な水辺を、私たちが誇るべき豊かな自然として知ってもらいたいと企図したページでした。こんな場所が福岡にもまだあるんだ、次世代にも残していくべき自然の財産ではないかと、魚部が体感した思いを少しでも共有ほしいと考えたのです。

多くの水生生物に興味を持つ魚部の調査活動から、次の二つを選んで少し詳しく紹介します。  

①九州産イシドジョウの調査研究

イシドジョウは、島根県西部と広島県西部、山口県、そして九州では福岡県北部のわずか4水系の一部のみに局所的に生息する、絶滅が非常に危惧されるドジョウの一種です(環境省版レッドデータブック「絶滅危惧ⅠB類」)。生息情報が少なく、知られないまま生息地が失われつつあることが心配されています。それは、1990年代に入って初めて確認された福岡県の九州産イシドジョウの場合にはなおさら当てはまり、福岡県では最も絶滅が危惧される「絶滅危惧ⅠA類」とされています。
 
 



北九州地域における分布調査

まず保護に向けた第一歩として、魚部では北九州地域における分布調査を1999年度~2000年度にかけて実施しました。生息可能だと思われる場所を地図上で選び出し、その後現地に出かけて目視や採集によって生息の有無を確認するという、シンプルな調査方法です。4水系20数地点で生息調査を行った結果、3水系8地点での生息を確認しました。ほとんどが未知の生息地であり、この貴重な調査結果を報告書にまとめ、関係諸機関に渡しました。

、「外来種」といった常設展示からテーマをしぼり込んだ企画展を、これまで8回実施しています。期間中には、魚部の高校生たちが、企画展のテーマに合わせた生き物講座を開催し、毎回多くの市民が参加してくれています。

さらに水環境館以外にも、2006年夏の北九州市立自然史・歴史博物館の特別展『昆虫展ワールドカップ』への展示参加や2007年夏の滋賀県立琵琶湖博物館での魚部展示など、新たな取り組みにも挑戦しています。


宮若市川づくり交流会

1.流域の概略

  犬鳴川25.6km。八木山川17km。流域面積280平方km。

  旧若宮は里山・奥山中心、奥山は国有林、農業中心の地域、各種農作物あり。

  脇田温泉 3万1千人、力丸ダム1300万トン、犬鳴ダム500万トン。

  計1800万トンのダム。これと同じくらいの貯水能力を持つ田畑・山地あり。

  旧宮田は平坦部中心で旧産炭地・現在は九州トヨタ・東芝工場等の緑と工業中心の地域に変貌しつつある。

  北部九州の水がめ地域。植木の花の木堰より山田川に流れ込む水は鞍手町・遠賀町・中間市の水道水・工業用水・1200haの田畑を潤す水源。ここに下流にたいして上流の水源水質維持責任・防災責任を感ずる。八木山川には遠賀川流域唯一の八木山川漁協がある。

 

2.設立は河川事務所の呼びかけで、行政関係・地域各種団体が参加して犬鳴川の清流維持目的に学習会からスタート。

 

3.その後 各種活動団体として変貌、現在に至る。

  基本的視点は以下のとおりです。

  イ 下流域に対する水質の維持 ロ 里山・奥山の保全 ハ 農業を応援する

  ニ 国の管轄、県の管轄、市町村の管轄の縦割り行政に関係なく、一本の河川として考える。縦割り行政の潤滑油としての役割を大切にする。 ホ 地域防災を住民の立場で考える。

 

4.諸活動の状況  活動の中心を学習会から実践行動に移す。

 4-1 河川環境保全―水質調査・炭による水質保全の呼びかけ。

 4-2 上流の不法投棄ゴミの処理―山の口川の例。峠川のゴミ処理の運動。

     浅ヶ谷地域のゴミ対策の例。その他不法投棄ゴミ対策の例。

 4-3 犬鳴水系における水場づくり。農作物と水の関係調査等。

 4-4 犬鳴水系の登山道の開設・維持。観光面での応援。

 4-5 峠川等の渓流遊び。

 4-6 小学生を中心とする蛍活動―環境協会後援

 4-7 河川防災活動

     山口川の葦の取り除き作業。黒目川の序木等。INによる防災活動。

 4-8 河川事務所との河川危険箇所点検。

 4-9 防災に関する諸活動・・・防災マップ。雨量測定。渓流等の危険箇所点検。

     例―直方土木事務所、市土木関係者。県森林土木事務所、直方営林事務所等との防災活動等。

     ―――――――― 以下略。インターネットで活動報告中。

5.問題点 活動を広げるのが難しい。

 田川ふるさと川づくり交流会報告
発表資料(田川ふるさと川づくり交流会).pdf へのリンク